先日の日経新聞に弊社の記事を載せていただきました、
記者の岡田さんはとてもご丁寧に取材していただき、僕のわがままでこれだけは伝えたい!ってことも形にしてくださいました。
初めて岡田記者とお会いさせていただいた時、岡田さんはお母様が仕立てられたジャケットをお召しになられていて、
一目で既製品ではないとわかりました。
そんな素敵な方に取材していただいたので、活き活きとした素敵な記事になりました。
今回は新聞だったのだけれど、
テレビであろうが、ウェブのメディアであろうが、
服作りだけではなくてこうした印刷物含め、全て人が作っているものです。
僕はこうした「作る」ということにとても興味があります。
そしてそこに携わる人の思いが形になっていくし、
こうした「作る」という作業は共同作業だと思うのです。
最近はテレビや新聞、雑誌やウェブ関係のメディア、もう少しで公表できるのですが、
少し大きめの媒体からの取材などにお応えする機会が増え、
それもとてもありがたいのですが、
なんだかみんなで「作る」という作業をしているのがとても楽しくて好きです。
作るという作業は「共存」だと思います。
僕の会社のCORE VALUE(行動指針のようなもの)は
笑顔
挑戦
価値
前進
共存
なのですが、
その中にも「共存」をしっかりと入れています。
言い換えれば「平等」とでもいいましょうか、
共にものづくりや記事作りを行うにあたり、
最終的な商品や成果物が全ての結果です。
そしてその品質を合格ラインの80点から上に押し上げようとした時、
どうしても人の想いが滲み出てくるのではないか、そう思うのです。
僕は取材をお受けするとき、ただ聞かれたことに答えるだけではなく、
この人がどういう記事を書きたいのか、誰に向けて、
なんのための記事を書こうとしているのか、
そんなことをとても考えます。
そうでなくては自分のことをただただ話す自分勝手な取材になり、
結果として「思っていなかった」という記事になることがあります。
読んでらっしゃる方からも「そうなんだ」で終わってしまう、
ただ情報を伝えるだけの記事になってしまいます。
例えば、先日お受けしたBNLさんの取材においてはとても熱く聴いてくださったので、
僕も包み隠さず全てをお話ししました。
結果先方からの断りがあった上で、
「縫製一家の放蕩息子が全国の職人たちをつなぎ、その未来を紡ぐ」
というとても素敵なタイトルをつけてくださいました、
(もちろん記事の中身も素晴らしかったです↓)
https://bnl.media/2018/12/hideki-tani.html
放蕩息子とはあまりに失礼な内容、でもそれが僕にはぴったりの表現で、
結果として素敵な記事になりました。
多分、
熱い取材をされていなかったら「放蕩息子はないでしょう」と突っ込んでいました。
長くなりましたが、
服作りももちろん「共存」なのではないか、
そんなふうに思います。
川の上下に、優劣をつけることを誰ができるでしょうか。
上流にしかないもの、下流にしかないもの、
いいところ、悪いところそれぞれです。
仕事の流れとして、上下はあって然り、
しかしアパレルメーカーが企画をし、それを発注し、お金を払うから、
アパレルメーカーがえらい。
工場の現場は「作っていればいい」
そんな常識はとっくの昔に変わってきているし、パタンナーも、縫製士も、生地屋さんんも、資材屋さんも、みんな。
もっというと裁断士さんも、まとめ屋さんも、プレス屋さんも、みんなみんな、
平等に「洋服」という成果物を作り上げているチームです。
この考え方がヒエラルキーではなく、ホラクラシー「横並びの関係」です。
このホラクラシーの考え方が1着の洋服を80点から120点へと押し上げ、
結果として大切にされる1着になるのではないか、そう思うのです。
僕はこのMY HOME ATELIERの仕組みを使って作る人と、作りたい人が共存し、
共に生活が豊かになる。
そんな社会を作りたいと思っています。
そして一刻でも早く大量生産、大量消費の仕組みから脱却し、
地球と経済、
環境と人が共存できるような社会になるよう、
少し大きな目標ですが、
そんな仕組みを僕の代で作り上げ、次世代にバトンをつなぎたい。
そんなふうに思っています。
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