こんばんは。
株式会社ヴァレイ広報の田中です。
本日、YouTube動画を公開しました!
「MY HOME ATELIER」のしくみについて、ヴァレイの本社工場見学と共に代表の谷が解説をしていますので、ぜひご覧くださいませ。
YouTubeはこれからも定期的に動画アップ予定です。「ヴァレイのここが知りたい!」などなどリクエストがありましたら、ぜひお声かけくださいね。
【1着からの!】縫製工場 株式会社ヴァレイMY HOME ATELIERのしくみとは?【小ロットの服づくり
2017年から始まった事業
「MY HOME ATELIER」
改めて、代表の谷がMY HOME ATELIERへの想いについてnoteにて綴っています。
ー 株式会社ヴァレイ
代表取締役CEO 谷 英希 noteより ー
https://note.com/valley_mha/n/n92d4ef15760d
MY HOME ATELIERという事業について
僕は2015年に母から「縫製業はもう自分たちの代で終わらせたほうがいい」と言われ、2016年の1月に起業して課題の多い日本の服づくりをどうやって良い方に進めていくのかを考え、2017年の2月に初めて「在宅の縫製職人が小ロットで服づくりする」という仕組みを発表し事業化してきた。
2017年2月を起点とするならば約6年間この事業を進めてきて、そのうちコロナショックが2020年2月だから約半分はコロナ禍で商売をしてきたことになる。
その間にもファッション業界や働く環境は目まぐるしく変化してきた。
でも変わらないものもある。
僕たちが作りたい世界のビジョンや、職人さんの技術やファッションの素晴らしさだ。
どれだけ時代が移り変わってもファッションは常にドキドキしワクワクするものだし、職人さんの技術を目の当たりにすると「魔法の手」という言葉が頭をよぎる。
このnoteでは僕たちが行っているMY HOME ATELIER の仕組みについて改めて解説するとともに、得意なこと、不得意なこと、そして僕たちの込めた想いと描く未来について書きたいと思う。
MY HOME ATELIERというサービスについて
ファッションデザイナーやメーカー、クリエイター、作家などものを生み出す人たちにとってサプライチェーンの安定化は常に課題である、特に生産が海外に移り国内生産の空洞化が起きている日本においては安定する製造工場の確保は会社の命運を握る大切な存在だ。
しかし工場の現状は高齢化やデジタル化の遅れなどからその数は減り続け30年で1/5に衰退していると言われている。
海外で生産できるアパレルメーカーやデザイナーであっても海外の物価の上昇や、品質や納期コントロールの難しさ、売れる商品の小ロット化(多品種化)などにより海外生産一辺倒では立ち行かなくなってきた。
また駆け出しや、小規模事業を行うデザイナーやメーカーなどは10-30着くらいの小ロット生産を国内で行い販売することを生業としており海外での生産はクオリティやこだわり、必要ロットなどから避けられてきた。
実際に、現在ものづくりを行うデザイナーや生産管理200名ほどにアンケートを実施したところ73%の人たちが「ものづくりに困っている」と答えている。
そんな中僕達が注目しているのは「魔法の手」を持っている職人さんたちだ、
減少する縫製工場で働けなくなったみなさんはものづくりの主役だ、
しかし縫製工場の廃業やライフスタイルの変化(出産、介護など)により働けなくなっている方がたくさんいる。
弊社の大まかな推定でも全国に90万人近くの縫製職人が技術を活かすことができず眠っていると言われている。
その職人さんたちが自宅にいながら技術を活かすことができる仕組み、それがMY HOME ATELIERである。
いわば縫製職人のクラウドワークを促進し、サポートしているのである。
職人技の「クラウドワーク」を可能にする仕組み
僕たちはコロナ禍になる前から職人のクラウドワークを推進してきた、今でこそテレワークやリモートでの仕事、フレキシブルタイムなどが当たり前になってきた。
しかしそれができる仕事には制約がある。
例えばクラウドワークスやランサーズのお仕事は「自宅でパソコンがあれば仕事ができます」というものがほとんどだろうし、ノマドワーカーも基本的にはパソコンを使って行うことが前提だろう。
「ものづくりのクラウドワークは無理」
何度も何度も言われてきた。
ものづくりは設備が必要だし、労働集約の方がコストが下がる。
納期のコントロールなどを考えてもものづくりを「クラウドワーク」で行うのは効率が悪いしできない。
そんなことはわかってる。
それでもやる理由があると思った。
縫製工場がどんどんと潰れていく中で技術を持った職人は工場に行かなければ働くことができないとすると、僕が信じている「魔法の手」を持った職人がどんどんと減っていく。
そしてその技術を失った後、ものづくりの国ニッポンはどこへいくのだろうか。
そんな思いが心の奥にあったからだ。
そんな思いもあり2017年からMY HOME ATELIERのサービスを細々とスタートしたのだった。
MY HOME ATELIERでは縫製職人さんが自宅でできない作業を全て代行している、
象徴的なのは「裁断」「特殊ミシン」などである。
例えばコートを10着作りたいとする、
職人にはもちろん縫う技術があるが「場所と設備」がない。
コートを1着「裁断」しようとすると直線距離で4-5mの何もない空間が必要だ。
もしそんな広いリビングがあったとしても裁断前に生地が汚れないように床をきれいにして、裁断を行う。
そしてもちろんハサミでは1着ずつしか着れないから同じ裁断を10回行うことになる。
これだけで1日の仕事は終了、ミシンに乗る前に終わってしまう。
その後裁断したものを縫う前に芯地を圧着するためにアイロン作業を行う。
芯地はかなりの圧力と熱で圧着しないと使用しているうちに剥離し品質が低下する。。。
このように自宅で服作りを行うにはミシンに乗る前のなかなか大変な作業がある。
しかしヴァレイでは全ての商品を裁断済み、芯地圧着済み、資材、糸などの副資材などを同封の上で自宅にお届けする。
そうすることで自宅で行うのは「ミシン作業」のみとなる。
裁断の様子
他にもヴァレイではミシン作業以外の特殊ミシン(ボタンホール、カンドメなど)はもちろん、自宅ではできるが生産性が悪い「ボタンつけ」などの手作業や、
品質に直結する検品などをヴァレイのマザー工場でサポートしている。
検品の様子
このように自宅でできない作業をヴァレイのマザー工場で行うことによりヴァレイでは縫製職人のクラウドワーキングを実現したのである。
そしてそのクラウドワーキングは全国に広がり毎月新しい職人さんが増えている。
作られる洋服はプレタポルテの高級品から、雑貨小物などまで幅広い。
登録した職人さんの技術や働ける時間、バックボーンなどをヴァレイの専門チームでマッチングを行っているのだ。
高品質の高級品から、ある程度の品質を担保しながら買いやすい価格の商品まで製造を可能にしているのだ。
詳しくは動画で解説しています。
「MY HOME ATELIER」が作る世界
正直ものづくりのクラウドワーキングの土壌を作るのはとても力が必要だった。
お金もいっぱいかかったし、時間もとてもかかった。
それでも僕はこのサービスが世界を変えると考えている。
今、社会は大きな変化を迎えている。
昔は世帯収入も高く、両親が同居してたり近くに親戚が住んでいたりして子育てもしやすかった。
しかし今では子供がいる、介護をしている、そんな理由により働けなくなってしまう方が非常に多い。
そんな僕の周りにもそんな人がたくさんいる。
何より僕自身が母子家庭で、ずっと職人だった母の帰りを子供だけで夜中まで待っていた。
僕はそんな子供たちを作りたくないと思ったし、自分が父親になってから子供を待たせて仕事をすることがどれだけ親にとっても辛いのかを想像することができた。
少しずつクラウドワークが主流になってきて、パソコンで仕事ができる人、例えばマーケティングや一部の営業、デザイン業務やライターなど自宅で働ける人たちが増えてきた。
しかし「ものづくり」という仕事ではなかなかそれが叶わなかった。
現在日本の労働者は6667万人、そのうち「技術職、生産工程」を担当するいわゆるものづくりに関わる人は2100万人いるのだ。
日本の労働者の1/3はものづくりに関わる人、そんなものづくり大国ニッポンでものづくりが自宅でできるようになったら、どんな世界が待っているだろう?
技術は次世代に繋がれていくだろうし、好きな仕事で食べていける人が増える。
環境のせいで技術職を諦める人が減るし、国も、技術も発展する。
今はミシンというジャンルでしかクラウドワーキングを実現できていない、だけどまずはこのミシンのクラウドワークを実現したのちあらゆる技術職を在宅で行えるようにしたいと考えている。
野望にはまだまだ遠いけれど、絶対に達成したいと思っている。
職人としての登録希望の方や、少量多品種での洋服や雑貨制作などをお考えの皆様、ぜひお問い合わせお待ちしております。
Contact
ミシンには人が乗り、人が踏まないと服を作ることはできません。 私たちは全国の在宅の縫製職人と共に日本をひとつの縫製工場とし、少しでも私たちの服作りで皆様の心を豊かにすることができるよう、そして日本の服作りを支えられるように日々精進してまいります!
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