僕たちの行動は社会課題の解決になっているのか真剣に考えてみた

僕は起業家である。

そして周りからは「社会起業家」なんかと呼ばれることもある。

自分自身もどうせ会社をやってお金を稼ぐなら社会課題に対して有益なサービスを運営することでより良い社会を作っていきたいと思っている。

しかしながら僕たちが行なっているサービスは本当に社会課題を解決することになっているのだろうか?

例えば古着のリメイクを行う会社がリメイクを行なったからといってお客様が「その素晴らしいリメイクされた洋服に合う新しい洋服が欲しい」と新たに購入するかもしれないし、

デッドストックの生地を使用した洋服が販売されればそもそもデッドストックのままであれば二酸化炭素にならなかったものをわざわざ取り出してきて洋服にして、その結果廃棄されればむしろ二酸化炭素の固定化を解除するだけになる。

僕たちは小ロット生産を行うことで大量生産を無くそうなどと考えているが僕たちがいなければそもそも生まれなかった洋服も多く、地球環境のことだけを考えればなかったほうがいいのかもしれない。

もちろん社会課題は地球環境だけではないから、人が人らしく自己表現をし、自分らしくはたらし生涯を幸せに暮らせる社会を作ることも非常に重要であるから全てが無意味や悪いことだとは思っていないし、正直「答えはこうだ」と決められるほど人はよくできていないと思っている。

だからこの記事の中ではあえて穿った見方をして見ようと思っている。

小ロット生産をすることは正義なのか

大量生産される洋服のイメージはというと

物価の安い地域で安く大量に作られ、現地の人たちは安い物価の中でも特にひどい労働環境で働かされている。

そしてそこで生まれた洋服は粗悪品でそれを買い求める人は結局数回その服を着たら捨ててしまう、罪悪感がある何人かに一人は二次流通に回すか、団体などを通じて貧困地域にまだ着られる洋服を送ったりしている。

そしてその地域では同じように大量の古着が集められ劣悪な環境が生まれている。

大まかにいうとこんなイメージを持っている人が(少し詳しい人では)多いのではないだろうか

https://www.afpbb.com/articles/-/3375578

それに比べ小ロット生産はそもそも生産量が少ないことで廃棄する量がかなり減る、そして僕たちが取り扱う洋服はのほどんどは「受注生産」であるから正直今まで「売れないから」と廃棄したいことは一度もない。

つまり廃棄の部分では間違いなく地球環境にいいことをしている。。。

のか?

もう少し広い視野で見てみる。

そもそも僕という人間が本気で「地球環境を良くしたい」と考えているならば間違いなく「作る」という仕組みを作らなかったはずだ、結局小ロットであろうが大ロットであろうが「作る」ということを新しく始めている時点で生産数は増えており業界は活性化し新しい環境負荷を生んでいる。

どんな仕組みであっても「新しく作る」という時点で「作らない」よりは負荷をかけている。

減らす取り組みではなく、増やす取り組みをしているのは間違いない。

もちろん僕たちが行なっているのは「作る」だけじゃなく「作る人」にのフォーカスしている。

MY HOME ATELIERというサービスでは素晴らし技術を持った縫製職人さんが何らかの理由で(結婚や出産、介護、転勤、廃業)などにより働けなくなっている、そんな職人さんたちが自宅で服作りを行うことで生活ができる仕組みである

https://www.valleymode.com/mh-atelier-info/

 

この仕組みは2017年から本格的に稼働したが縫製の「リモートワーク」で新型コロナが始まる前から「場所にとらわれず職人が働けるようにしよう」と広げてきたサービスだ、

このサービスによって服作りを生業として生きていく人たちが新たに生まれている、同時に小ロット生産をしたいと思っているデザイナーの「作りたい」を叶えるサービスとして新たなクリエイションを生み出しエンドユーザーさんの多様化を微力ながらお手伝いさせていただいていると思っている。

このように関わる人たちにとっては(自分で言うのも申し訳ないが)素敵なサービスを運営していると胸を張っていえる、しかしどうしても環境に負荷をかけているんだとも思っている。だから

小ロット生産にり環境負荷を最低限にしながら関わる人たちを幸せにしていく。

なんとか心の中そう繰り返し「ギリギリセーフ」と思いながら事業を進めてきているのが正直なところだった。

僕たちがなすべきことは意識改革である

僕たちが生産する洋服は日本で流通する年間数十億着の中でもたかだか数万着である、だから僕たちが何をやろうが今のところ微力であって本来深く考えなくていいのかもしれない。

しかし僕の性格上それは難しく、少量であっての正しいと自分が思える行動をしたいと思うのである。

そんな中最近僕の中で新しい答えが出てきた、

僕たちの使命は社会の意識改革ではないだろうか?

と言うものである。

僕たちが製造するのはたかだか数万枚、僕たちのお客様であるデザイナーさんたちも数十枚を売っているようなパワーは小さな存在だ。

方やアパレル産業は世界でもどんどん成長し、コロナ禍で落ち込みこそしたがやはりファストファッション含め社会に与える影響はとても大きい。

僕たちみたいに小さな存在で、しかも小ロットという動く量もそもそも少ないやり方で本質的な部分で大きな社会的インパクトを起こすのは難しい。

(仮にユニクロやしまむらが「販売数を半分にする」というと大きなインパクトだろうがそこには太刀打ちできない)

しかし僕たちが作っているのは「かっこいい」とか「可愛い」「美しい」の最高潮なのではないかと思う。

その美しさは人の中に深く刺さって、人の心を打つ。

僕たちが作るべきはそんな洋服なのだ、そしてその洋服(デザイナー)が大きなインパクトを持てば自然と人はそれを買い求める、そして時間はかかるかもしれないが「その辺に売ってる服じゃなくて、この人からこの服を買いたい」と変わっていき、自然発生的に洋服の小ロット化が進んでいくのではないか?

と思うのだ。

「大量生産は良くないから小ロット!」なんて義務的な考えでは誰も動かない、

そうではなく

「こっちの方がワクワクするから小ロット!」

そんな選択肢を作ることで自然とクローゼットの中には捨てられない服が増えていくのではないだろうか。

そのためには僕たちはデザイナーたちの「作れる自由」と職人たちの「作れる自由」を叶えるサービスを続けていいのではないだろうか。

そんなことを考えている。

僕はクリエイターではないから素敵な洋服を作れるわけじゃない、

僕は職人でもないからデザイナーのイメージを形にすることはできない、

でも僕は起業家であるから社会に合わせるのではなく、自分自身が起点となり社会を大きくいい方向に動かしたいと思っている。

そのためにはやっぱりデザイナーさん、職人さんが必要なのだ。

僕一人では何にもできない。

より無駄のない方法で、より素晴らしい商品をお客様にお届けできるよう僕たちはサービスの運営を行っていく。

新-ARATASHI-というサービスでは僕たちが「作る」という支援を行うことで製造から販売までを行えるようなプラットフォームを提供している。

どんなに小ロットであってもアイデアを商品化させ、モールにアップすることができる。そして生産は MY HOME ATELIERがしっかりサポートする。

https://aratashifashion.com

最後に

僕たちは微力だ、しかし無力ではない。

大きなものは動かせない、しかし質量のない人の心はファッションによって動かせる。

僕たちは廃棄された洋服をCO2の排出をせずに処理することはできないし、

数十億着が流通する洋服を半分にすることもできない。

しかしファッションの素晴らしさに気づいてもらい、今の子供達や若い世代が「こっちの方がカッコいい」と選んでくれる洋服を作っていくことができる。

そしてその一回一回の積み重ねが意識を変える、そうすることで知らない間に世界は良くなっていく。

僕は起業家としてそんな社会を作っていきたいと思う。

ぜひ職人の皆様はMY HOME ATELIERにご登録をお願いします。

デザイナーの皆様はARATASHIのご登録をお願いします。

https://www.valleymode.com/mh-atelier-info/

https://aratashifashion.com

 

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