こんにちは、
ヴァレイの谷です。
本当はそろそろHide(ヒデ)ですと自己紹介したいと思っています。
さて、今回は弊社の縫製加工を依頼していただくお客様に向けてヴァレイでできること、できないこと、そしてできるけどやらないこと(苦手だから)などについて書いてみたいと思います。
と言いますのも縫製工場って実はとても複雑で布帛(フハク 編みではなく織られた主に伸びにくい生地)の工場とニットカット(編み地、Tシャツなどの伸びる生地)などによってできるできないがあるだけではなく、
布帛工場にもロットの差や、得意アイテムなどがあります。
例えばジャケット工場とパンツ工場はどちらも布帛工場ですが持っている設備にも大きく差があります。
そしてただでさえ複雑な縫製工場なのに弊社ではマイホームアトリエという在宅での縫製サービスを展開しているため「ヴァレイは一体何をやっている会社なの?服作りはお願いできるの?」と思ってらっしゃるお客様は非常に多いのではないでしょうか。
そこで今回はヴァレイでできること、できないこと、できるけどやらないことなどを説明させていただければと思います。
ヴァレイでできること
ヴァレイでできること取り扱いアイテム編
ヴァレイで取り扱いができるアイテムは下記の通りです
レディス全般(ブラウス、ジャケット、ワンピース、スカート、パンツなど)
ただし布帛アイテムが中心です。
ヴァレイでできないアイテム
主にカットソー製品(例外あり)
メンズジャケット(仕立て)
メンズスラックス(仕立て)
フォーマルなメンズシャツなど
ヴァレイでは基本的に本縫いミシンとロックミシンで製造できるアイテムが中心に製造できます。
ニットやカットソーには横振ミシンやカヴァーステッチなどのミシンには基本的に対応していません。
どうしても!!ということであれば協力工場で縫製はできるかも知れませんが、不良品などが出た際に修正ができないなどの場合があり対応できません。
またメンズのフォーマルなジャケットやパンツなどは「既製服」というよりも「仕立て服」に近く細かな仕様、手作業などのノウハウは残念がならヴァレイにはありません。
形にできないわけではありませんが、加工賃も高く、クオリティも低くなります。
ヴァレイでできないアイテム(番外編)
ベビー用品 法律上ホルマリン検査を受けていない工場では製造できません。
ビニール用品(アウトドアグッズなど) テントなどの縫製はデニムなど厚物を扱う岡山の工場などがおすすめです
ヴァレイでできなくないけどおすすめしないアイテム(番外編)
オーダーメイド品 1着1着サイズをかえて縫製などを行うととんでもない値段になる可能性があります。
小ロットの雑貨 雑貨は雑貨が得意な工場があります、弊社でも縫えなくないですが単価が合わない可能性がありますので高品質で高級品な雑貨などの場合は対応可能かも知れません。(現にマスクなどもお受けしています)
ヴァレイでできるロット
ヴァレイではマイホームアトリエというサービスを展開しており、在宅の縫製職人さんが基本的に一人で縫製を行います。
裁断や仕上げはヴァレイで行いますが、製造する人数が少ないため非常にロットが小さい商品の取り扱いが得意です。
ボリュームゾーンは30着前後ですが、それ以下のサンプル1着、量産3着などでも製造可能です。
ヴァレイでできないロット
基本的にヴァレイでお受けできないロットはありません。
以前に経済産業省からの要請を受け10万着の医療用ガウンの製造なども行っておりますので、小ロットから大ロットまで行うことができます。
ヴァレイでできるけど得意じゃないロット
しかしながら「できるけどやらない方がいいこと」は存在します。
それが100着以上などの大きなロットの商品です。
できるけどやらない理由は下記の2点です。
1.職人が一人で縫っているので効率化に限界がありロットが増えても加工賃がそこまで下がらない
2.普通に海外の方が安いと思う。
1.の理由ですが弊社の仕組み上基本的には縫製職人が一人で最初から最後までのミシン作業を担当します。
そのため製造の「効率化」がなかなかできません。
1000枚くらい同じものを作っていると最初は慣れていないためゆっくり、次第に早くなっていき効率化していきます。
そのため価格は安くなります。
しかし一人で作業をするためやっと作業に慣れてきた頃には別の作業を始めなければならず効率化が難しいです。
そのため「100枚作るなら少しは安くできるだろう」と思っていただいてもなかなかご希望の価格に近づかない場合もございます。
2.の理由はそもそも100枚くらい作るなら日本じゃない方が安くある程度品質も安定するんじゃないか?と思うからです。
ヴァレイでは100枚以上の大きなロットでもお受けしておりますし、その場合はカラーやサイズごとに職人を振り分けるなどして対応しております。
もちろん品質基準を社内に置き技術のブレは起こりにくいよう管理しております。
ですので受注会で思わず想定以上の枚数がついた!!という場合でも問題ございません。
しかしあらかじめ「これは大量に作る」とわかっている場合は弊社よりもマッチングする工場があるかも知れません。
次は業務のことです、例えば工場によっては裁断は全て外注であるとか、仕上げアイロンは外注だとか色々と工場の規模感などによって異なりますのでヴァレイでできる、できない業務のことを説明します。
ヴァレイでできるその他業務のこと
資材管理
スケジュール管理
裁断
縫製
ボタンホールなどの特殊ミシン
仕上げ
発送(toCへの個別発送も可能)
ヴァレイでは基本的に縫製工場に期待されることのほとんどを内製化させています、縫製はMY HOME ATELIERというサービスで行っていますがそれ以外の部分は全て社内でおこなえます。
またヴァレイの特徴はエンドユーザーへの発送もお受けしていることです。
ヴァレイではValley Kichi.という物流センターがございます、縫製工場単体で物流センターを持っている工場は少ないんじゃないかな。。。と思います。
そのため縫製した商品をお客様の元に発送を行うことができます、例えばクラウドファンディングで作った商品の発送であるとかD2Cブランドでの最後の発送まで全て行うことができます。
またヴァレイでは各運送会社とも契約しており配送個数が多いためある程度運送コストを落としてお送りすることができます。(これ結構バカにならない金額です)
ヴァレイでできないその他業務のこと
プリント
その他加工
ボタンの機械付
CAM(自動裁断機)での裁断
ヴァレイでは自動裁断機を入れておりません、そのためギッチギチのマーキングによるCAMでの裁断はできません。
ヴァレイでできなくないけど、あまりお勧めしないこと
資材手配
ヴァレイでは生地や資材屋さんとの直接取引を行っており資材を確保するためのルートは持っています、しかしながらあくまでも私たちは縫製工場でありOEM会社ではありません。
例えば芯地などでも「あるものを使ってください」と言われれば使うことは可能です、しかしながらそのあるものによって仕上がりが大きく変わることがありますのでお勧めしていません。またファスナーやボタンなど品番指定の場合も弊社で発注することができますが例えば副資材の不良や資材到着の納期遅れによる納期全体の遅れなどは弊社では責任を取りかねます。
また資材を手配する際も資材費に手数料20%+資材費は別途キャッシュオンでの請求をしておりますのでご自身で可能であればご手配いただく方がいいかも知れません。
もちろん「始めたばかりで口座がない!」「どこで頼んだらいいかわからない」などの場合はご相談くださいね。
パターンメイキング、グレーディング、修正など
パターンメイキングや修正などに関してですが弊社にパタンナーが常駐しておりメイキングを行うこと自体は可能です。
しかしながらパターンメイキングは洋服を作る上で要と言ってもよく、商品全体のクオリティを決める上で非常に重要です。
一番コミュニケーションを取らなくてはいけない部分でもあります、弊社の場合はあくまでも社内で企画し製造する商品のパタンナーがいる程度ですのでお客様に寄り添い細部までこだわったパターンメイキングができるかというとまだ追い付いていないのが現状です、ですので可能であればお客様の方でパターンはご用意ください。
修正に関しても同様で「ちょっとここを直したい」という一見すると些細な部分に見える修正でも1箇所修正することで全体のバランスを大きく崩してしまう可能性もございます。そのため些細な修正であっても基本的には投入前にご確認いただくことをお勧めしております。
洗い加工など
弊社での洗い加工に関しては「通常の洗濯機でワンウォッシュする」などは可能です。
しかしながら洗いのプロではないため洗濯機に対して適切な量であるとか、縮みの溶剤や縮どめなどのノウハウは一切ありません。
ですので「ワンウォッシュ」というご指示をいただいた場合でも完璧なウォッシュができるわけではありませんのでお勧めは致しません。
ヴァレイが得意なこと まとめ
結局ヴァレイが一番得意なにかというと
小ロット(1-50着)のレディス布帛製品
ということです。
ヴァレイでは全国のコレクションブランドの洋服を縫製させていただいております。
コロナ禍でコレクションの多くはストップしたり規模を小さくしているためとても寂しく思っています。
しかし逆にD2Cブランドが多く発生し、市場を盛り上げています。
ヴァレイではそのニーズにしっかりと対応すべく小ロットでの生産とその後の個別発送まで行えるように仕組みを整えておりますので、ぜひお問い合わせお待ちしております。
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