先日ファッションいずみの出水社長も記事にされておりましたが、
これから給与が上がる職種ランキングで縫製工が1位になり、現在の給与から70%上がるという結果が出ました。
いろんな諸条件がございますが、
それでも今からの時代で私たちの手仕事が評価される1つのきっかけにはなったんじゃないか?
そしてこれから縫製士を目指す人が増えてくるのではないか?
という期待も出てまいります。
純粋にまずは嬉しいですね。
そして裏を返してその「諸条件」を考えてみると現在の縫製の仕事があまりに低賃金である、ということに尽きると思います。
<順位:職種/推定年収(年齢・勤続年数):所定内実労働時間数+超過日労働時間数>
1:ミシン縫製工/202.7万円(44.2歳・10.8年):179時間
2:ビル清掃員/246.2万円(52.2歳・7.9年):176時間
3:スーパー店チェッカー/250.4万円(39.5歳・8.3年):180時間
4:調理士見習/251.6万円(43.0歳・5.9年):184時間
5:洗たく工/264.3万円(47.2歳・9.6年):185時間
6:軽電機器検査工/282.5万円(43.3歳・11.1年):181時間
7:洋裁工/284.1万円(42.3歳・12.8年):175時間
8:理容・美容師 /287.7万円(30.6歳・6.4年):182時間
9:用務員/288.0万円(55.3歳・9.4年):171時間
10:給仕従事者/291.3万円(38.7歳・6.5年):186時間
11:キーパンチャー/292.6万円(37.4歳・9.9年):169時間
12:看護補助者/294.9万円(44.4歳・7.7年):161時間
こちらは2017年で給与が安いランキング。
堂々の1位は同じく縫製工ですね。
そりゃ安いんだから上がるでしょ。
という状況です。
この現状をなんとかするためにヴァレイはあるんです。
例えば、
家の横に小川があって、
そこでは美味しい魚がたくさん取れるわけです。
生きるために取っていた分には問題なかったものの、それは販売して、
利益を出そうと考える人たちが出てきました。
そしてそれはどんどんと貪欲になり、大量に取ることで価格を抑え、
一時利益は増えて生活も豊かになります。
しかし、
ある日を境にその川では魚が獲れなくなってきました。
焦った人たちはその川の川上から川下まで、また別の川まで魚を探しに出かけました。
そして最終的にその人たちは自分たちが食べる魚すらも獲れなくなってしまいました。
そんな現状が縫製でも起こっています。
時代の流れを読むことはビジネスをする上でとても大切なことです。
しかし適正なものを適正な価格で提供する。
ということを行わなければ長期的にみてビジネスは死を迎えます。
私たちは「自然環境が!」とか「職人の人権が!」と騒ぎ立てるだけではなく、
純粋に「ビジネスとして」長期的に発生する利益を考えても適正な取引をすることがビジネスを継続するために必要なことだと私は考えています。
そして、
今日もいい出会いがたくさんありました。
同じような志をもち、将来の縫製を考えている素敵な先輩やデザイナー様と知り合いました。
私たちのビジョン「日本の縫製業を次世代につなぐ」を達成するために、
少しずつ輪が広がっているなぁと日々感じておりますし、
大変に感謝しております。
まだまだ先は長いけど、
成さねばならぬこともあります。
頑張るぞ!
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